希土類イオンドープセリア系固溶体の発光特性

抄録

　青色や近紫外発光を示すLEDの開発が盛んに行われているが，これらを励起源として利用する蛍光体の開発も急務となっている。しかしながら合成が容易で化学的にも安定な金属酸化物で構成される蛍光体では，特に長波長可視発光を示すもので近紫外励起できるものが極めて少ない。本研究では，Eu³⁺やSm³⁺をドープすると近紫外で励起できることが見いだされたセリア（CeO₂）を固溶体化することにより，その励起波長を制御するとともに発光特性を改善していくことを目的とした。固相法および液相法を用いた合成により，数種類の希土類イオンをドープしたセリア系固溶体粉末を調製し，その構造および発光特性を評価した。