抄録
物質に光を照射して発光する現象はフォトルミネセンスと呼ばれ,一般に蛍光体として用いられている。本研究では強弾性体としても知られるLaNbO4とGdNbO4に注目した。いずれの化合物も300nm付近のUV励起により青色発光を示し,より短波長の260nm励起では,LaNbO4のみが青色発光を示す。しかし,両者の光学特性の違いがどのような要因によって現れるのは明らかではない。このため,La1-xGdxNbO4固溶体を合成し,XPSおよびラマン分光法によって化学結合状態を明らかすることによって,青色発光の起源がどのような構造ユニットと関係するのかを調査した。本成果によって,ドープ型ニオブ酸化物のような新規蛍光体の開発指針が得られると期待される。