抄録
これまでハイドロキシアパタイト(HA)セラミックスとのバルク同士の接合体が得られなかったTi基金属バルクガラス (Ti40Zr10Cu36Pd14:丸板直径5mm, 高さ2mm)に対し、5mol/LのNaOH水溶液を用い、温度90℃、電流密度0.5mA/cm2、反応時間120分の条件で、水熱電気化学法にて成長層を表面に形成させた。これをリン酸水素カルシウム二水和物と水酸化カルシウム混合粉と共に水熱ホットプレス処理することによって、Ti基金属バルクガラスとHAセラミックスのバルク同士の接合に初めて成功した。水熱電気化学処理条件などプロセスの最適化がなされれば、新規生体材料として期待されるTi基金属バルクガラスへの密着性の良いHAコーティングが得られる可能性が高い。