抄録
サイアロン蛍光体は、耐久性と演色性に優れ、LED固体照明用材料として注目されている。これまで、サイアロン蛍光体粒子の膜実装化の要素技術として電気泳動堆積法に着目し、ITOガラス上に黄色発光を示すサイアロン蛍光体膜を形成し、青色の励起光源を用いることで擬似白色素子を作製し、その発光特性を報告してきた。この擬似白色素子は補色の関係にある青色と黄色を用いることで、白色に見える。しかし、実際にこれらのスペクトルは青色光と黄色光の2つのスペクトルピークを持つため、一般照明用光源としては好ましくない。そこで、本研究では緑色発光を示すサイアロン蛍光体を用いることで、青、黄の発光スペクトルの連続化を試みた。