抄録
従来から難焼結性として知られているAlNに焼結助剤として3mass%Y2O3-1mass%CaO-ホウ化物を添加することによって、AlNはより低温で焼結することができると報告されてきた。これは、添加した焼結助剤がAlN粒子のまわりに存在するとされるAl2O3と反応することによって複合酸化物の液相を生成すると考えられている。さらにこの生成した液相にAlNが溶解することによって、AlNは焼結するのではないかと考察がされてきた。このように、AlNの焼結には液相が重要であると考えられる。そこで我々は、焼結助剤としてホウ化物ではなくホウ素Bを選択し、液相生成、焼結助剤の量、熱伝導率、さらにAlN結晶格子c軸の変化に関して考察を行い、AlNの焼結挙動をより詳細に調査を行ったので報告する。