抄録
近年、モールドプレス用ガラスとして、鉛などを含まない低融性、高屈折率の光学ガラスの開発が望まれている。Ti3+イオンを含まない二成分チタノリン酸塩ガラス(TiO2 = 60-74 mol%)は、高屈折率(nd = 1.80-2.00)を示すのでモールドプレス用ガラスとして期待されるが、ガラス転移温度が高く(例えば60TiO2・40P2O5ガラスに対してTg = 652 ℃)低融性化が課題となっている。そこで本研究では、その二成分チタノリン酸塩ガラスへのB2O3、Li2O、ZnO等の添加効果を調べ、ガラス転移温度と屈折率の評価を行った。その結果、高屈折率を維持したままガラス転移温度を低下させることができた。