抄録
ガラス材料の一つとして低融点封着用ガラス,いわゆるハンダガラスがある。電子部品やガラス材料の接合,封着に用いられており,酸化鉛を主成分とするものが多い。しかし,近年の国内外における法整備により鉛,鉛化合物はその用途を厳しく制限されている。一方,酸化ビスマスを主成分とするガラスは比較的低いガラス転移温度を有していることが明らかとなっている。しかしながら,なぜ,酸化ビスマスがガラスの融点を低下させるかについては明らかではない。本研究では酸化ビスマスを主成分として用いたシンプルなガラスを作成し,ハンダガラスとして重要な要素である諸物性について種々測定を行った。