日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2008年年会講演予稿集
セッションID: 1I18
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金属-EDTA錯体と酸化物粉末を用いた金属酸化物被覆粉体の作製
*中村 淳南部 信義大塩 茂夫斎藤 秀俊
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抄録
我々はこれまで金属-EDTA錯体溶液からスプレードライを経て作製された金属-EDTA錯体混合粉を熱分解することにより多元素酸化物を得るという手法が、多元素系酸化物の金属組成と形態を精度よく設計するための有効な手段であることを証明してきた。しかしながら得られたセラミックス粒子はその製法上中空球状となるため粒子が割れやすく、また金属組成によっては熱分解工程において粒子同士の融着が起こりやすいといった問題を抱えている。本研究では、(Sr, Al, Eu)-EDTA水溶液とアルミナからなるスラリーをスプレードライ混合法に適用し、それにより得られたSr-Al-Eu系酸化物粉体の粒子形状、蛍光特性および蛍光相分布を評価した。得られた酸化物粒子はスプレードライにより成型された形状を維持した球状のアルミナ粉末凝集体を形成しており、また粒子の断面のCL像より凝集体の表面近傍より発光していることが確認された。この結果は所望の安価かつ安定な酸化物粉末の凝集体の表面に金属-EDTA水溶液の金属元素およびその組成比に由来する金属酸化物で被覆した酸化物粉末を得ることが可能であることを示唆している。
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©  日本セラミックス協会 2008
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