抄録
本研究では、HIP法によりβ-FeSi2とFeBとの複合焼結体を作製し、その熱電特性を評価した。P型のβ-FeSi2およびFeBをそれぞれ固相法により合成し、それらの混合粉末を800°C、2 h 100 MPaでHIP焼結を行った。得られた焼結体の電気伝導度およびゼーベック係数を測定し、出力因子を算出した。電気伝導度に関して、β-FeSi2は半導体的挙動を示し、FeBは金属的挙動を示した。複合体はこれらの中間の挙動を示した。x = 0.2の時に最小値をとったが、これは他の相が生成したことと、粒界の影響が考えられる。ゼーベック係数に関しては、x = 0.2の時に特異的にその値が高くなっている。これは他の相が生成したためと考えられる。