主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
InNは赤外領域における発光、受光デバイスや高速、高周波電子デバイスへの応用が期待されている。本研究では大気圧ハライド気相成長法により、Inシード層を用いてInNを作製し、評価を行った。成膜は自作のホットウォール型の横型CVD装置を用いて行った。基板はサファイアa (11-20)面基板を用いた。Inシード層を用いて作製したInNは面内において回転ドメインを持たずにエピタキシャル成長していることがわかる。Inシード層を用いて作製したInNは二次元成長しているのに対し、基板上に直接成長させたInNは、様々な方向に成長した柱状結晶であった。Inシード層の導入により格子の整合性が改善されることを示す。一方、Inシード層を用いたInNの残留キャリア濃度はMOVPE法やMBE法で作製したInN薄膜より著しく高く、移動度が低いことがわかった。