主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
我々は、有機修飾塩化シランとリン酸を出発原料として、有機-無機ハイブリッドケイリン酸塩ガラスを作製してきた。しかし現状では耐水性が低いことが大きな問題点であり、その向上が必須である。我々は、これまでに分子軌道計算を用いてガラスの加水分解機構を解明し、耐水性の高いガラスの設計指針を示してきた。その結果、ガラスの加水分解には酸が大きく影響を与えることが分かり、無水酸塩基法に替わる方法として塩酸の発生しない、有機修飾エトキシシランを用いた方法でガラスの作製を行い、耐水性が向上することを示した。しかし、依然として耐水性は実用レベルでは無い。一般に、耐水性の低いケイリン酸塩ガラスの耐水性の向上にはAl3+の添加が有効であると知られているため、我々のガラスに対してもAl3+の添加効果を調べ、耐水性の向上を目指した。