抄録
ヒトの骨は少量の炭酸を含んでおり、炭酸アパタイトは水酸アパタイトよりも溶解度が高いことが知られている。そこで、生分解性を有する骨補填材として炭酸アパタイトの合成と焼結の評価を行った。炭酸ナトリウムを用いて、水酸化カルシウムとリン酸からNaを含有したBタイプの炭酸アパタイトを合成した。合成した粉末のキャラクタリゼーションをXRD,FTIR,TG-DTA,ICPにより行った。合成した炭酸アパタイトは単相でNaがCaサイトに置換し、炭酸含有量は2~6wt%であった。この炭酸アパタイトを用いて焼結体を作製したところ、炭酸アパタイトは水酸アパタイトよりも低温で焼結し、焼結性が向上することが明らかになった。