抄録
我々は、カプセルHIP法を用いて高圧条件で反応させることにより、オキソ酸が低温で結晶化することに着目してきた。これは、高圧条件では、OH基が比較的低温での固体間の反応に対して促進作用を持つためと考える。本研究ではこのようなOH基の効果を応用し、LiCoO2の低温合成を試みた。CoOOHとLiOHを混合し、カプセル(SUS304)に入れて100~600℃、1 hの条件で200 MPaのHIP圧をかけた。100℃ではHT-LiCoO2とLT-LiCoO2と未反応のCoOOHが含まれていた。200℃ではHT-LiCoO2の単一相が得られた。しかし、結晶性は低かった。300~600℃では結晶性の良いHT-LiCoO2が得られたが、不純物であるCoOが含まれていた。得られた試料を用いて、リチウム二次電池正極活物質としての電池特性を評価した。