抄録
本研究では、セリア安定化正方晶ジルコニア多結晶体(Ce-TZP)マトリックス中へのBaフェライトのin-situ複合化を行い、第二相としてのBaフェライトの原料粒子の形態、反応性が、コンポジットの微構造に与える影響を調べた。炭酸バリウムとヘマタイト粒子の混合粉末または共沈法により調製したアモルファス粉末を原料に用いてコンポジットの作製を試みたところ、非常に微細なヘマタイト粒子や、アモルファス粉末を原料に用いた場合には第二相が粗大化する傾向にあった。それに対し、粒径が均一なヘマタイト粒子を原料に用いた場合は、その平均粒径が大きな場合でも、生成する第二相の粒径は均一で、比較的小粒径であった。