抄録
スプレードライ混合法により調製したEDTA錯体由来のSr-Al-O:Eu2+系蛍光体仮焼粉体を単結晶MgO基板上に塗布し、水素還元雰囲気下で高温焼成処理して得られる蛍光体についての共賦活剤無しでの残光性能の有無を調査した。XRDの結果から、SrAl2O4とみられる回折ピークが確認され、他に同定できない多数の回折ピークがみられた。460 nm、510 nmの2種類の発光ピークを示し、510 nmの発光は約2秒程度で急激に発光強度が減衰した後、 数十秒間の残光を示した。本蛍光体は基板からの元素拡散によってSr-Al-O:Eu2+系結晶系が歪み、多量の結晶欠陥が生じ、残光が確認されたと考えられる。