抄録
発光中心としてCeを添加したガラスは、その蛍光強度を制御することで、書き換え可能な大容量光メモリ用材料として使用できる可能性がある。本研究では、熱的・化学的耐久性が高いNa2O-CaO-B2O3-Al2O3-SiO2系ガラスをホスト材料とし、Ceをドープしたガラスの蛍光特性に対して紫外光照射および熱処理が与える影響を調査した。作製したガラスはCe3+による青色蛍光を示し、その発光強度は紫外光照射により減少した。また、発光減少率はガラス組成に応じて変化した。紫外線照射後のガラスを熱処理することで、そのスペクトル形状と発光強度は、照射前と同等まで回復した。これらの発光強度の変化は、Ceイオンとガラス網目構造間の電子移動によるものであることが示唆された。