抄録
ZnOバリスタの粒界構造の評価方法として走査型電子顕微鏡(SEM)において反射電子(BSE)像を用いると定量的な分析は出来ないが明暗のコントラストが明確な組成像を容易に得ることができる。ZnO粒子表面の添加物の分布を明らかにすることはバリスタのような界面を利用したセラミックスの研究に有用である。本研究では,ZnO結晶粒子の界面に存在する微量な添加不純物の微視的な分布を明確および簡単に評価するためにZnOバリスタの破断面に対して反射電子による組成像を測定した。ZnO粒子の粒界破壊面にはBi2O3が斑点状あるいはシート状の2種類の形状で大雑把に分けて存在することが明らかになった。Bi2O3へSiO2を固溶させることで,シート状のBi2O3付着物が増加し,斑点状のBi2O3付着物が減少した。