抄録
LiNbO3(Lithium Niobate: LN)は、表面弾性波デバイスおよび非線形光学素子として広く使用されている材料であり、これまで多くの研究がなされている。今回、いくつかのRaman散乱ピーク強度の組成依存性を測定し、LN結晶欠陥との関連を調べた。
組成およびMg添加量の異なる4種類のLNについて、バックスキャッター配置でラマン測定を行った。その結果、いくつかの散乱ピークに著しい組成依存性を窺うことができた。これらのピークに対し、いくつかの仮定の下で理論解析を行い、欠陥量の相対比較をおこなった。その結果、それぞれのピークがLNの欠陥(Ndアンチサイト欠陥・Li空孔)に関連していると考えると、上述した組成依存性は欠陥平衡モデルに照らし合わせ矛盾なく説明できる。