抄録
本研究では、最近、我々が発見した新規Fe系超伝導体CaFe1-xCoxAsF (Tc = ~22 K)およびSrFe1-xCoxAsF (Tc = ~7 K) (各x = 0, 0.06, 0.12)をSPring-8の放射光を利用し、低温での粉末X線構造解析を行った。解析結果より、以前我々がLaFeAsO の母相で報告したものと同様な正方晶(P4/nmm)から斜方晶(Cmma)への構造相転移が、CaFeAsF とSrFeAsFの母相でもそれぞれ120 K、180 K 付近で起こることが明らかになった。CaFeAsF の結晶構造はFeAs 層を構成しているFeAs 四面体の形が正四面体に近く、経験則上、ドーピング方法の改善を行うことで最高温度を更新することが期待される。