抄録
当研究室ではこれまで、T´-La2-xRExCuO4-δ (RE= Y, Lu, Sm, Eu)のバルク体試料を作製し、その物性、結晶構造と導電性との関係について報告してきた。本研究では、塗布熱分解によりLa2-xRExCuO4-δ (RE=Sm, Y)及び、Sm2-xYxCuO4-δの薄膜試料を作製し、組成、構造と導電率の関係を検討した。粉末X線回折パターンより、La2-xRExCuO4-δではT構造が主相となっており、Sm2-xYxCuO4-δではT´構造が主相となっていたが、第2相として分解によるピークが見られる領域もあった。また、試料の抵抗率は金属的挙動を示し、低温領域で抵抗率が急落する現象が見られたが、零抵抗は示さなかった。