抄録
固体電解質粒界での酸化物イオンの流束が、与えられた電場下において、異なる曲率(r)をもつ隣り合う二粒子内の酸化物イオンの活動度(ar)の差と関係づけられた。流束は、粒径の減少に伴い増加する電導度(σi (+))と減少する電導度(σi (-))の二つのタイプを導く。両電導度はar = 1 (r > 0) とar = a02 ( r < 0, a0はr = ∞での活動度)を与える臨界の粒径 (r = rc)で、それぞれ最大値と最小値を与える。rc > rの範囲では、σi (+) 及び σi (-)は粒径に依存しなくなる。結果として、全電導度(σ(t) = (σi (+) +σi (-)) / 2)は、粒径の逆数の二次関数で表わされ、r = rcで最大値に達する。電導度と活性化エネルギーの粒径依存性について、理論と実験の間で良い一致が見られた。