抄録
ALCの主構成鉱物であるトバモライトの生成メカニズムを明らかにする目的で、放射光施設(SPring8)の高エネルギーX線を利用してその場X線回折を行った。水熱条件下での測定を可能にするため、Be窓を持つステンレス製圧力容器を製作して反応セルとした。微粉珪石、セメント、生石灰、石膏、水から成る原料を予備硬化させた硬化体を容器内部に設置して、室温から190℃および190℃での反応過程について、その場X線回折を行った。珪石、水酸化カルシウムの消費に加えて、ハイドロキシエラスタダイトの生成と消失が、トバモライトの生成に関与していることが明らかとなった。