抄録
カオリンと微粒子炭酸カルシウムを800℃以上で加熱することにより生成する準安定非結晶材料は900~1000℃間で顕著な焼結性を示し,緻密な焼結体を得ることができる。このようにして得られる焼結体は、低温焼結多層セラミックス基板用材料や一般的な絶縁材料、低温焼結磁器等への応用が期待される。本研究では、タイプの異なる3種のカオリンを低温焼結が可能な磁器の調製に使用した。これら3種のカオリンと微粒の炭酸カルシウムとの反応により焼結性を検討した結果、微粒のカオリンを使用した場合において、最も緻密に焼結した。また、廃棄ガラスの添加における影響を検討した結果、焼結温度を下げる効果があることが分かった。