抄録
小・中学校の理科教育においては、ゆとり教育に基づく学習内容の見直しや土曜閉校等により授業時間数が削減され、理科授業において観察、実験を行う時間的余裕は、昭和52年の学習指導要領改訂以降、大幅に減少してきているのが現状である。子どもたちの「科学技術に対する関心の低下」や「理科離れ」が進んでいると言われ、その一助にならないかとの思いから、龍谷エクステンションセンター主催で、小学生向けの観察講座を6年前から毎年、夏休みに開講してきた。平成20年に学習指導要領が改訂され、小・中学校教育においては、21年度から段階的に理科の時間数が大幅に増えることになり、大きな転換の時期にある。このような中で、電子顕微鏡でミクロの世界を観察し、セラミックスを中心とした材料のナノテクノロジーを理解する勉強会を、小、中学校教員の方達と行った。この転換期に、小・中学生教育への関わり方について、これまで取り組んできた内容や小・中学校教員の感想など合わせてご報告する。