抄録
ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)は、レゾネータ応用に向け共振周波数温度系数(TC-f)に関する研究が行われてきた。本研究では、TC-fを制御する手法として誘電異常ピークが二つ出るといわれているm = 2-3のビスマス混合層状構造に着目し、低温側の相転移を利用することを試みた。試料はSrBi2Nb2O9-Bi4Ti3O12(SBN-BiT)を用い、電気的諸特性および共振周波数温度特性の評価を行った。
共振周波数温度特性の結果、室温~250ºC付近まではTC-f =-74.8 ppm/ºCであったが、低温側の誘電異常ピークを介することにより共振周波数の変化が小さくなり、TC-f =-14.6 ppm/ºCまで変化した。