日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2009年年会講演予稿集
セッションID: 2P031
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レーザ変位計を用いた(1-x)BiFeO3-xBiCoO3の低温変位特性
*李 鳳淵飯島 高志中村 嘉孝東 正樹島川 祐一
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抄録
近年、環境意識の高まりから、鉛の毒性に対する懸念が広がっており、非鉛系圧電材料として良好な強誘電・圧電特性を示すと期待されるBiFe2O3(BFO)に注目が集まっている。ペロブスカイト(1-x)BiFeO3-xBiCoO3(BFCO)は、PZTと同じく菱面体晶と正方晶の固溶体であり、圧電定数が増大する組成相境界(MPB)の存在が期待される。リーク電流成分を抑えて電気的特性を評価するため試料を低温に冷却するとともに高周波帯域で測定た。そこで、レーザー変位計と低温チャンバーを組み合わせ、低温(-190℃)、高周波数(1kHz~100kHz)で強誘電特性と微小変位特性の同時測定が可能な評価システムを開発し、(1-x)BiFeO3-xBiCoO3(x=0~0.3)/Nb-STO(001)サンプルについて強誘電特性評価装置とレーザ変位計を用いて、-190℃、測定周波数1kHz~100kHzで強誘電分極反転と微小変位特性を同時測定した。 0.7BiFeO3-0.3BiCoO3薄膜を-190℃に冷却し、10kHzのBipolar電界を印加し測定した。2000kV/cm印加時の残留分極(Pr)は68.5µC/cm2、坑電界(EC)は605.5kV/cmと強誘電性を示すことが判明した。また-190℃において5kHzのUnipolar電界を印加した際の微小変位の印加電界依存することが分かった。BFO-30%BCO薄膜はBFO薄膜よりも大きな微小変位を示し、BCO固溶により圧電特性が向上したものと考えられる。
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©  日本セラミックス協会 2009
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