日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2009年年会講演予稿集
セッションID: 2P032
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2段階焼結またはスパークプラズマ焼結で作製したBaTiO3セラミックスの特性
*眞岩 宏司
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抄録
BaTiO3セラミックスに関してはこれまでも数多くの研究がなされているが、最近、微細な粒子構造をとるBaTiO3セラミックスは従来より高い誘電特性や圧電特性を持つことが報告されている。筆者の研究グループではスパークプラズマ焼結(SPS)により作製したBaTiO3セラミックスが緻密で微細な粒子構造を持ち、比較的高い電界誘起歪と比誘電率を持つことを観察している。しかしながら、SPSで作製されたBaTiO3セラミックスがどうして高い特性を持つかは今ひとつ明らかではない。今回、2段階焼結度と通常の固相反応法でBaTiO3セラミックスを作製し、粒子径と誘電特性、電気機械特性の関連を検討し、SPSで作製された焼結体との違いを検討することとした。 出発原料には水熱合成法で作製された粉末を用いた。粒子径は50nm相当である。1050~1450℃の温度範囲で通常焼結した。銀ペーストにより電極を形成した後に誘電特性の測定を行った。SPSはカーボンダイスを用いて大気中で行い、加圧60MPaで保持時間は5min.とした。 BaTiO3セラミックスは2段階焼結の到達温度、通常焼結では焼結温度を増加させると全般的に密度、粒径、結晶性は向上する。二段階焼結では到達温度1400℃以上で相対密度96%の緻密な焼結体が得られる。誘電率の温度特性はSPSのときに見られた転移温度の低下は観察されない。室温の誘電率は到達温度1300℃の試料では4000を超える。電気機械特性に関しても報告する。
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©  日本セラミックス協会 2009
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