抄録
本研究では, カップスタック型カーボンナノチューブ(CS-CNT)を表面処理した後, 無機イオン濃度を約1.5倍とした擬似体液(1.5SBF)に浸漬させ, CS-CNTのアパタイト析出能について検討した。酢酸カルシウム水溶液,リン酸還流, アンモニア水溶液あるいは酢酸アンモニウム水溶液で処理したCS-CNTには球状のアパタイト粒子が析出した。未処理のCS-CNTにもアパタイト析出がみられたが, その析出量は少なかった。 また, 硝酸還流後酢酸カルシウム処理したCS-CNTにおいても未処理のCS-CNTよりもより多くのアパタイトが析出した。しかし、混酸処理あるいは硝酸還流処理のCS-CNTにはアパタイトは析出しなかった。