抄録
従来の熱酸化法よりも低温で高品質な酸化が期待できる電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマを用いて、チタンのECRプラズマ酸化を行い、酸化時間、酸化温度、酸化圧力などの酸化条件と構造、組織、膜厚およびOCP析出挙動の関係を調べた。ECR酸化時間30min以上、Tsub = 300 ℃以上では、チタン基板表面にRutile相の酸化チタン膜が析出した。酸化温度および時間の増加にともない膜厚および表面荒さは増加した。チタニア膜はリン酸緩衝液への浸漬により石灰化が進み骨伝導性に優れていることがわかった。石灰化後はOCPおよびDCPDの針状結晶が多数観察された。