抄録
今まで研究されてきた光触媒は酸化チタンTiO2をはじめとするd0電子配置の金属イオンが中心であったが,d10電子配置のpブロックの金属イオンを含む酸化物でも光触媒活性が報告されている.f0d0電子配置であるCe4+を含む化合物でも光触媒活性が期待できるが,報告例は少ない.本研究ではCeを含む複合酸化物を合成し,光触媒特性について調べた.
粉末X線回折により,目的の試料が単相で得られていることを確認した.測定した拡散反射スペクトルから360 nm付近で吸収を示すことがわかった.試料を懸濁したメチレンブルー水溶液の吸光度を調べたところ,触媒を添加しない場合と比較して吸光度が減少している.このことから,Sr2CeO4に光触媒活性が認められると考えられる.