抄録
p型酸化物半導体として代表的なNiOは不定比性の岩塩型化合物であるが、Liをドープすることによってホールが発生し、導電率が大幅に向上することが確認されている。本研究では、物理的気相成長法の一つであるPLD法を用いて、サファイア(0001)基板上にLiドープNiOを室温でエピタキシャル成長させることに成功した。従来の高温成膜では、Liを高濃度でドープするとNiOの岩塩型構造が崩れてしまいLiが固溶しなくなってしまうが、室温成膜ではその非平衡性から高温成膜とは違った固溶の仕方をすると考えられる。したがって本発表では成膜温度,Liドープ率及び導電率の相関関係について詳報する。