抄録
現在、環境問題の観点からPZT系に代わる非鉛圧電セラミックスの開発が求められている。本研究では、、La2O3およびMnO添加100-x(Bi0.5Na0.39K0.1Ag0.01)TiO3-xBaTiO3(x=0~4)の焼結性および諸特性について検討を行った。2≦x≧3組成において二重履歴に類似したP-Eヒステリシス曲線を描き、電界誘起歪みは特異な履歴を示し、かつ巨大歪みを呈した。歪み履歴曲線は圧電体のバタフライ形状とは異なり、処女試料の電界誘起歪履歴では残留歪みが観測されなかった。これは微小ドメインが電界印加により強誘電相に相転移し、誘起した強誘電相が圧電歪みを呈すると考えられる。x=3においてSmax/Emaxは415pm/Vに達し、非鉛材料としては優れた特性が得られた。