抄録
酸化チタンは、紫外線照射により活性種を生成し、それらが有機物を分解する光触媒能を有する。しかしながら、芳香族炭化水素の分解では難分解性の中間体が生成し、これらが酸化チタン表面で重合することで、光触媒活性が失活することが知られている。一方最近、適当な大きさの芳香族炭化水素重合体をスルホン化することにより、高性能の炭素系固体超強酸触媒が作製できることが報告された。本研究では、芳香族スルホン酸を原料に用い、酸化チタンの失活現象を逆に利用して各種芳香族炭化水素と光重合することにより、スルホン化プロセスなしに炭素系固体強酸の作製とその特性評価を行った。