抄録
水熱合成チタニア誘導ナノチューブは、光触媒や色素増感太陽電池をはじめとし、様々な分野への応用が期待される注目すべきナノ材料である。このようなチタニア誘導ナノチューブに関して、その合成過程における水熱処理条件や酸処理条件が生成物の形態および構造に大きく影響を与えることがこれまでに報告されている。しかしながら、これら生成物の構造および生成機構においては不明な点が多く、いまだ統一的な見解が得られていないのが現状である。
本研究では、水熱プロセスにより、チタニア粒子の形態制御を試み、その構造を放射光X線吸収微細構造(XAFS)、高エネルギーX線回折(HEXRD)を用い、短および中範囲の構造情報から検討した。