抄録
立方晶窒化ホウ素(c-BN)は、その優れた特性から多くの研究者に注目されている材料の一つである。この材料の薄膜化に関する研究は多い。しかしながら、残留応力が高いことおよび密着性が低いことから、厚い膜の成膜は困難なのが現状である。本研究では、今までと少し異なるアプローチとして、様々な希ガス(Ar,Ne,He)を用いc-BNの成膜を試みる。c-BNの成膜には、高周波(RF)マグネトロンスパッタ装置を用い、六方晶窒化ホウ素(h-BN)をターゲット材料として選択した。スパッタリングガスにはArガスに希ガスを混合して用いた。その結果、Ar-Heガスを混合させて作製したサンプルは剥離のない薄膜が得られた。