抄録
近年行われている光触媒材料の研究において、SnO2と他の酸化物半導体を複合化することによって、光を効率よく吸収しより多くの電子-正孔を生成させることや、生成した電子-正孔の再結合を防ぐことなどが行われている。本研究では複合光触媒の一成分として用いられているSnO2についてメチレンブルーの光分解特性をその結晶性などと関連づけて検討した。UV(λ=254nm)照射下においてSnO2微粒子は高温で加熱したものほど高い分解率を示し、900℃で加熱したものはTiO2の5倍以上を示した。また、XRDにより求めた結晶子径は高温で加熱したものほど大きくなり、光吸収スペクトルからも高温で加熱した試料ほど紫外域での吸収が高く光子利用効率が増加することがわかり、光触媒効果を向上させたと考えることができる。