抄録
細胞内に安全かつ高効率に遺伝子を導入する技術は、再生医療や遺伝子治療を行う上で重要である。本研究では、DNA–フィブロネクチン–アパタイト複合層(DF-Ap層)に、アパタイトの溶解性向上因子である炭酸を添加することによって同層表面における遺伝子導入効率を向上できることを示した。一方、DF-Ap層に溶解性低減因子であるフッ素を添加することによって遺伝子導入効率を低減できることを示した。以上の結果から、DF-Ap層に炭酸、あるいはフッ素を添加することによって、同層表面における遺伝子導入効率を制御できることが明らかになった。