日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2010年年会講演予稿集
セッションID: 1A34
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LiNbO3型極性酸化物ZnSnO3の相安定性と電気特性に関する第一原理計算
*中山 将伸野上 正行勝又 哲裕吉田 雅稲熊 宜之
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キーワード: 極性酸化物, 高圧合成
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抄録
極性酸化物は、強誘電性、圧電性や非線形光学特性など対称性に由来する物性を示すことから、基礎と応用の観点で重要な物質である。これまで、極性結晶の探索は、2 次のJahn-Teller 歪を引き起こすTi4+, Nb5+, Ta5+, Mo6+, W6+などのd0 遷移金属イオンや 非共有電子対ns2 をもつPb2+やBi3+イオンを含む化合物を主な対象としておこなわれてきた。一方、我々は (n-1)d10ns0 電子配置をとる陽イオン(Zn2+およびSn4+)のみを含むZnSnO3 の超高圧合成に成功し、この物質がLiNbO3 型(LN-type)構造をもつ極性酸化物であることを見出した。その後、SonらによってZnSnO3薄膜の作製がなされ、~ 47 μC cm-2という比較的高い自発分極を示すことが報告されている。本研究では、ZnSnO3材料の結晶構造・電子構造に起因する有限圧力下での相安定性と電気特性を考察するために、密度汎関数理論に基づく第一原理計算によって検討を行った。
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©  日本セラミックス協会 2010
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