抄録
熱重量天秤(TG)に非分散型赤外式CO-CO2ガス分析装置および2台の限界電流型ジルコニア式酸素センサーを設置した熱重量天秤-ガス収支分析により、C/B4C/SiC複合材の酸化挙動を評価し、炭素基材中に分散したB4CおよびSiC粒子の酸化挙動を詳しく調べた。その結果、炭素基材中のB4CおよびSiCの酸化量を見積もることができ、ガラスの生成で消費された酸素量は、SiCの粒径が20nmと小さい場合最も高く、複合材の酸化挙動が、炭素基材中のB4CおよびSiCの酸化で生成したガラス量に依存することが判った。また、各種元素分析の結果を考慮すると、炭素基材中のB4CおよびSiCの酸化は、これら粒子の表面近傍で生じ、試料の比較的内部まで粒子の酸化が進行していると考えられる。