抄録
フラックスコーティング法により,LiCoO2ナノ結晶層をSUS基板表面に直接形成した。フラックスコーティング法では,特殊な装置や雰囲気制御を必要とせず,大面積の結晶層を作製できる。出発原料にCo(NO3)2∙6H2O,LiNO3およびLiOH∙H2Oを使用し,所定のCo濃度に調整した。その後,微量の水を加えてペーストとし,SUS基板に一定量塗布した。ペーストを塗布した基板を電気炉に設置し,所定の温度で加熱および冷却した。温度条件を制御することで,SUS基板表面にa面配向した板状LiCoO2ナノ結晶層を作製できた。また,個々の結晶の形状や結晶層の厚さなどは,保持温度などに大きく依存した。