抄録
ニッケル系のアルカリ型二次電池の正極材料に用いられている水酸化ニッケルは,ヘキサゴナル単位格子を有している.我々の研究グループは,急速加水分解法によって比表面積値が200 m2/g以上のβ型水酸化ニッケルを合成し,得られた高比表面積水酸化ニッケルを100~120℃で水熱処理すれば高比表面積値を維持したままシート状のナノ構造が合成できることを見出している.さらに,200℃の比較的高温で水熱処理すれば単位格子を反映したヘキサゴナルプレートが得られることも分かっている.本研究では,得られた水酸化ニッケルヘキサゴナルプレートの正極材料としての特性について検討を行った.