抄録
我々は,全固体型リチウムポリマー電池で見られるサイクル劣化が,電極表面での電解塩アニオンの電気分解や,ポリマー電解質の低い機械強度に関連することを示してきた.(1,2)そのことから,電解塩アニオンの伝導を低下させ(リチウムイオン輸率を向上させ),機械特性に優れた電解質を開発することでリチウムポリマー電池のサイクル劣化を抑制できると考えている.そこで本研究では,メソポーラスシリカ(MPS)内にPEO系リチウム伝導性ポリマー電解質(SPE)をインターカレートした固体電解質(以後MPS+SPEと表記)を作製し,電解質の機械特性の向上を目指した.更に,実際に電池を作成して,そのサイクル特性を検証した.
参考文献
(1)中山将伸,“次世代型二次電池材料の開発”シーエムシー出版
(2)F. Kaneko et al., Adv.Funct.Mater., 918, (2009)