抄録
一般に分相ガラスは不混和組成下にあるガラスを熱処理することによって得られるが、このような方法で得られる分相領域はバルクのガラス全体に及ぶ。今回フェムト秒レーザーを用いることによって、相図中に不混和領域をもつSiO2-Na2Oガラス中の組成分布を局所的に制御し、ガラス内部において選択的な分相領域の形成を確認した。レーザー照射前のガラス組成は不混和領域の外にあることから、レーザー照射によってガラス組成が混和領域から不混和領域内へと変化し、またレーザー照射時に発生する熱によって相分離が促進したためであると考えられる。