抄録
泳動電着法を用いて誘電体薄膜の形成の検討を行った。粒径が約20nmの微粉子BaxSr1-xTiO3のスラリーをアセトンに分散させ、そこにヨウ素を添加し電着液を作製した。ヨウ素添加により、電着液のゼータ電位が増加し、粒径が減少した。電着液のプロトンNMRスペクトルの結果も、ヨウ素の添加によるゼータ電位の増加に対応していた。さらに、ヨウ素の効果を直流及びパルス電源を用いて電着することでも評価した。ヨウ素を添加した電着液を用いることにより、BST粒子の堆積が容易になり、膜厚1μm以下の緻密な薄膜が得られることがわかった。