抄録
MLCCの絶縁劣化原因として広く受け入れられているモデルは、酸素欠陥の電界マイグレーションによるカソード電極/セラミック界面への堆積である。微細構造と誘電体材料組成の異なる様々な誘電体材料で作製したMLCCにおいて、酸素欠陥の振る舞いを調べた。これらのMLCCの電気特性測定に加え、熱刺激電流(TSC)測定、微細構造観察、インピーダンス解析を行い、酸素欠陥マイグレーション、微細構造、組成の相関を議論した。これらの結果を総合して、薄層MLCCの寿命を確保するための誘電体材料設計について議論した。