抄録
自家骨中のアパタイトは様々なミネラルを微量に含み、多くのナノレベルの欠陥構造を有する。水酸アパタイト (HAp) は人工的に合成することができるが、合成HApは骨誘導能を持たないため自家骨に比べ臨床的な成績で劣る。これは自家骨中のアパタイトが持つ欠陥構造が骨誘導能を誘起している可能性を示唆しており、我々は「ナノ欠陥構造と生体活性の関連性」を明らかにしようとしている。今回は、モデル材料である骨ミネラルを添加して作製したアパタイトセラミックス (bone HAp) と純粋な水酸アパタイトセラミックス (pure HAp) の化学組成および微細構造を比較検討した。