抄録
シリケート置換ヒドロキシアパタイト (SiHAp) は,ヒドロキシアパタイト(HAp)より高いin vivo溶解性やin vitro骨芽細胞活性を示すことが報告されている。本研究ではGibsonらの報告に基づくSiHApの湿式合成において,反応時のSiの化学状態に着目した。Ca源にSi源を加えたスラリーの撹拌・熟成時間を変化させて合成したSiHApを用いて,固体核磁気共鳴 (NMR) 分光法によるHAp中のSiの化学状態及び周囲の局所構造の解明,HAp格子構造内へのシリケート置換量の向上を追究した。