日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2010年年会講演予稿集
セッションID: 2E33A
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平成20年度技術奨励賞受賞講演 骨形成にすぐれた超高気孔率多孔質セラミックス人工骨の実用化開発
*坂本 美知子松本 智勇
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抄録
近年、再生医療が発展し、再生医療の研究が進められていく中で、人工骨は骨欠損部への単なる補填だけではなく、より活発な骨再生の足場となる材料が求められてきている。これまでのHAp 多孔体の気孔形態では連通性が低 いため細胞が内部まで浸入しにくいという理由から、再生医療用担体と して最適ではなかった。そこで我々は、可能な限り気孔率を高め、臨床 の場においてもハンドリングに問題のない新規の人工骨の開発を行うこ とを目的とした。界面活性剤を添加することで高気孔率化したHAP-S セラミックス人工骨は、骨を作る細胞や組織がより内部に入りやすいように均一なマクロ気孔、連通孔、ミクロ気孔を持つ三重気孔構造を有している。これら 三重気孔構造をもつことで、従来製品よりも早期に旺盛な骨形成が材 料内で確認され、また欠損部分の強度も修復していることが確認された。 2006 年4 月に厚生労働省より認可を得て、商品名“アパセラムーAX”と して、整形外科および歯科のそれぞれの領域で使用され臨床成績はい ずれも良好であると評価を得ている。
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©  日本セラミックス協会 2010
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