抄録
近年、優れた発光特性・耐熱性といった点から、窒化物蛍光体の白色LED応用が期待されている。その中でCe3+を賦活したLaSi3N5、JEM、α-SiAlON等が高効率な青色蛍光体として見出されている。しかし、これらの蛍光体の合成には、大気中でのハンドリングが困難な原料やシビアな反応条件が必要となる。
本研究では大気中において安定なハンドリングが可能な原料系を選択し、常圧条件下において窒化物蛍光体を合成する過程で、優れた発光効率を示すLaSi3N5:Ce3+ベースの混相蛍光体、幅広い色度を再現可能なJEM:Ce3+―α-SiAlON:Ce3+混相蛍光体が相平衡を使用して合成できることを見出し、白色LED用蛍光体としての実用特性を検討した結果を報告する。