抄録
光ファイバ増幅器や固体照明用白色LED の高性能化には著しいものがある。それらは希土類を含有したガラスや蛍光体結晶材料が中核を担っており、今後ますます用途に応じた新規発光材料の開発が期待される。そのためには希土類付活材料の発光機構の基本と光物性を支配する構造因子の理解、局所構造制御による光物性発現とその精密評価が重要である。田部研究室では、希土類の4f電子機能を利用した発光材料を取りあげ、多くの新規発光材料を開発してきた。世界で初めてYAG 析出結晶化ガラスの開発に成功し[6]、高効率の白色LED デバイス化できること、高強度高耐熱性ゆえに、近い将来のハイパワーデバイス化においてAll Inorganic Solution の可能性を示した。固体照明用「結晶化ガラス蛍光体」という分野を新たに開拓し、照明分野へインパクトを与えた。